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病気の話

 

C型慢性肝炎治療について


慢性肝炎は、肝臓の細胞が長期間の炎症で破壊され、肝臓の働きが悪くなる病気です。日本では、原因の90%が肝炎ウィルスの感染で、約70%はC型肝炎ウィルス(HCV)によるものです。
HCVは血液を介して感染し、日本では過去の輸血や血液製剤の投与による感染が大部分を占めます(現在の輸血や血液製剤は、ウィルスの検査を行っていますので、感染することはほぼありません)。通常の性交渉による感染は低く、また母子感染はC型慢性肝炎の母親からの出産の約10%と言われています。
わが国のC型慢性肝炎の患者さんは、肝炎症状のない持続感染者を含めると150万〜200万人いると推測されています。

 

HCVの感染を調べるには、HCV抗体を検査します。抗体は、細菌やウィルスに感染したときに体の中で作られる物質で、陽性が全て現在の感染を示すわけではありません。HCV抗体陽性と判定された人には、現在HCVに感染している人(HCVキャリア)と、過去にHCVに感染し治癒した人(既感染者)がいます。そこで、ウィルス遺伝子(HCV RNA)定性検査を行います。ウィルス遺伝子検査が陰性であれば、過去に感染したけれども現在はウィルスが排除され治っていること(既感染者)を示します。

 

HCVに感染すると、約70%がHCVキャリアとなり、適切な治療をしないと10〜30年で約30%が肝硬変になり、肝硬変に進行すると、年率5〜8%の高率で肝がんが発生するといわれています。
HCVキャリアで、AST(GOT)とALT(GPT)に異常があればC型慢性肝炎と診断され治療を行います。HCVキャリアでも肝機能の異常がみられない場合は、無症候性キャリア(持続感染者)として経過をみるのが一般的です。

 

C型慢性肝炎の治療は大別して、以下の3種類の方法があります。
(1)抗ウィルス療法によりHCVの排除を試みる
〔インターフェロン(注射)、ペグインターフェロン(注射)、リバビリン(内服:インターフェロンと併用で用いる)〕
(2)肝庇護療法(肝臓の炎症を抑え、肝細胞の破壊を減少させることを目標にした治療法)により、肝硬変への進展の阻止、遅延を図る
〔グリチルリチン配合剤(注射)、ウルソデオキシコール酸(内服)〕
(3)画像診断と腫瘍マーカーを用いて肝がんを早期発見し早期治療を図る

 

どの治療法を選ぶかは、肝炎の活動度、病期の進展度、HCV量および遺伝子型(ジェノタイプ:1a、1b、2a、2bなど6種類に分類され、日本人は1b型70%、2a型20%、2b型10%)、年齢、全身状態などにより総合的に判断して決定されます。

 

成人患者さんでは、原則まずHCVの排除を目指してインターフェロンを中心とした治療が行われます。インターフェロン単独治療での有効率は平均約30%ですが、HCVの完全消失がみられなくても、肝硬変や肝がんへの進行がくい止められ、約60%の患者さんで生命予後の改善が得られています。現在は、遺伝子型1型やウィルス量の多い人は、ペグインターフェロン・リバビリン併用療法がすすめられ、40〜50%の有効率が得られています。

 

C型慢性肝炎の治療は、適切な診断に基づいて、適切な治療方針を選択して実施することが最も大切です。HCV抗体陽性と判定されましたら、ご相談下さい。

 

                                       医師 服部昌志

 

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