緩和ケアとは、病気の患者様を対象に、痛みをはじめとする苦痛を軽減して、穏やかな生活を送ることができるよう支援していく活動です。当院では主に癌患者さんを対象に活動しています。
体にがんが存在することによって、人は身体的苦痛、精神的苦痛などの様々な苦痛に直面します。それは、病気の進行の程度によるものだけではなく、がんの種類や存在場所、生活環境、社会的立場、宗教、文化などに大きく左右されます。がんが進行したからと言って必ず痛みが出現するとは限りませんし、がんの治療中に痛みを伴ってくる場合もあります。痛みや苦痛の感じ方は人それぞれですが、痛みや苦痛によって、体力の低下が生じて本来必要な治療の継続が困難になるだけでなく、日常生活にも支障が出現する場合があります。がんを患ったことで生活の質(QOL : Quality of Life)が低下するのであれば、健康な方と同じような生活ができるように、少しでもそれを改善する必要があります。緩和ケアの根本的な目標はこのQOLの改善にあります。
「治癒を目的とした治療に反応しなくなった患者に対する積極的な全人的なケアであり、痛みや他の症状のコントロール、精神的、社会的、霊的な問題のケアを優先する。緩和ケアの目標は患者と家族のQOLを高めることである。緩和ケアは疾患の初期段階においても、がんの治療の過程においても適応される。」
日本は人口の高齢化によりがんの罹患数・死亡数が増加してきました。そして、現在では、死因の約3割が悪性新生物によるものです。平成19年4月に施行された「がん対策基本法」の中にも明記されているように、がん患者に対する緩和ケアの必要性が高まってきています。中でも消化器癌によるものがその半数以上を占めており、中野胃腸病院は消化器専門病院として積極的に緩和ケアに取り組み、がん患者さんのQOLの向上に努めていきたいと考えております。




当院では、入院・外来通院・訪問看護によって癌患者さんの生活を支援しており、医師、病棟看護師、外来看護師、訪問看護師、薬剤師、管理栄養士からなる緩和ケアチームを結成して、活動を行っています。患者さんの症状緩和、苦痛軽減のための医療面、看護面、栄養面のサポートはもちろんのこと、外来、訪問看護、入院中に問わず一貫したサポートを行えるよう、定期的なカンファレンスを開いて情報交換し、問題の解決を目指しています。また痛みの軽減に関して、当院ではWHOが提唱するがん疼痛治療法を取り入れ、効率的な薬剤を使用した疼痛緩和を行っております。


今後も中野胃腸病院は、病気の治療だけではなく、患者様が安楽な療養生活を過ごせるように、症状緩和・苦痛緩和に取り組み、皆様をサポートしていきたいと思います。
医療的な側面から、専門的な知識や技術を持った看護師が、医師や薬剤師、病棟、外来看護師と連絡を取り合い、安心と安楽を提供できるよう緩和ケアチームの一員として、活動しております。